相談事例134の相談内容と回答(H13.9.30)

●相談文
 31歳女性です。症状は水性下痢です。1週間程続いています。食事はとれます。腹痛は刺す痛みではありませんが、常に重だるく腫れているような感覚です。特に臍から右腹部に感覚があります。たまに、みぞおち周辺がキリキリします。通常の生活はできる状態です。今日の熱は36.1度でした。市販の下痢止めの薬はききませんでした。今日(15日)に病院へ行ったのですが、下痢止めと腹の痛み止めしかもらえず、下痢止めも利いてはいません。
 9月10日にイランから帰国しました。衛生的ではない食物等を口にしていました。最初の下痢に気づいたのは9月8日です。9月9日に風邪のような喉の痛みとクシャミがあり、12日位まで続きましたが、高い熱があるような感じではありませんでした。
現在は特にストレスになるような因果関係もありません。
もし、感染症の恐れがあるようでしたら早めに対処したいと思います。


●回答文
 熱帯・亜熱帯地方を旅行して帰国後に下痢をすることを、旅行者下痢症と呼びます。発熱がなくても、旅行先でその土地の大腸菌などに感染して起こると考えられますが、集団食中毒のような特別な事情がなければ培養検査は不要で、ニューキノロン系の抗菌薬を4日ないし5日服用すると簡単に治ることが多い。まだ抗菌薬を処方されていないのでしたら、主治医にお願いしてみてはどうでしょう。もし便に血液が混じるようでしたら、便の培養が必要です。
 周囲への感染が絶無ではありませんから、貴女が用をたしたあとなどに、よくご自身の手を洗うことが必要です。後段のせきの原因は、それだけでお答えすることはできません。微熱が続いたり黄色の痰がなければ、しばらく様子をみて下さい。