相談事例106の相談内容と回答(H13.8.1)
●相談文
妻のことで相談です。30歳代で、去年末に風邪をこじらせたのをきっかけに微熱が今まで続き、2,3ヶ月程前から頭痛がひどくなり、仕事にも支障をきたし、休日は外に出るのもおっくうな状態です。
2ヶ月程前から、総合病院も含め、近くの内科医を何件もまわり、検査もCRTや脳波検査、血液検査など一通り受けましたが、全て異常はなく、心療内科などの精神科で診療を受けるように指示されるのですが、妻が言うには頭痛は精神的なものではないし、うつ病にかかってるわけでもない、ということなのです。
妻の頭痛がひどくなった2、3ヶ月前は、妻の仕事が忙しくなってきた時期でもあり、仕事や私生活のストレスもあるのではないかと、私は思うのですが。まだ子供はいませんが、2,3年前から不眠症気味で睡眠薬を服薬してることもあり、また、元々子供の生まれにくい骨盤の形をしてるらしく、出産にはかなりの不安を抱いていることもあり、これ以上薬を飲むことは避けたいので、精神安定剤等を使わずに治療する良い方法はないでしょうか。
また、家庭事情から、当面仕事はやめられない状況で、普通外来で仕事が終わってからあるいは土・日でも通える神戸(妻の職場の所在地)あるいは西宮(現在の住居地)でいい病院、いい治療法はないでしょうか。
以下、当相談システムを使用させていただいた結果を貼りつけます(私のわかる範囲内ですが)。
どうか、回答よろしくお願いします。
| 質問: | 選択した回答 |
| 性別: | 女性 |
| 年齢: | 30~39歳 |
| 今回の頭痛の部位: | 頭全体 |
| | 後頭部(うしろあたま) |
| | こめかみ |
| いつから始まったか: | 2ケ月~1年前 |
| 頭部打撲歴: | 頭や顔を打ったことはない |
| 過去の経験と比較: | これまでに経験した事がないような頭痛 |
| 痛みの程度: | 仕事ができない程度 |
| | 激痛で眠れない |
| 痛みの性質: | 重たい |
| | 鈍痛 |
| | ガンガンと頭が割れそうな |
| 始まりの様子: | 風邪を引いていた、もしくは熱があった |
| 随伴症状: | 吐き気、気持ち悪くなった |
| 頭痛の治まるとき: | まだ多少痛い(重い)、すっきりしない |
| 増悪するとき: | 仕事中、勉強中におこりやすい |
| 一日の経過: | 午前中に痛く午後には比較的よい |
| 朝目覚めたとき: | 痛いこともある |
| 短期的な経過: | 強弱はあるが続いている |
| 最近継続している症状: | 仕事の能率があがらない |
| | 体がだるい、疲れている |
| | 気分がすぐれない |
●回答文
30代の既婚女性で、2-3ヶ月前から頭痛がある、と言うことですね。仕事が忙しかったのに、頭痛で仕事にも支障を来し、休日も外に出るのがおっくうな状態。何カ所かの病院・医院を回り、検査で引っかかったものはない。CRTとはCTスキャンのことでしょうね。特に、内科的な診察や血液検査では何もない。骨盤が狭い、と言うことからは細身の体型で、神経質な女性と想像されます。微熱にも注意を払い気にされてきたことでしょう。医師の診察で、どこそこが悪い、と言われればむしろホッとされるのでしょうが、どこも悪くないと言われるものですから、気になって何軒も病院・医院を回る。ドクターショッピングをされる。頭痛問診で、午前中から痛く、午後はむしろ楽になる、ガンガンと痛いことや気持ち悪くなることもある、のは示唆的です。ここまでの情報で、一番可能性があるのは、自律神経失調症ー偏頭痛ー低血圧体質によるひんぱんな頭痛です。おそらくは痛くなるとかなり痛く、動きたくないぐらいで、治るとけろりとしている時間帯もあるのではないでしょうか。何事にも神経質で、仕事でも完璧にしなければ気の済まないたちではないでしょうか。さらに言えば、血圧が低く、もっとも気分が悪くなったりすると途端に血圧が上がって高血圧と言われることもあるかもしれませんが、めまいや立ちくらみ、があり、幼児期には乗り物酔いもあった、と言うようなことはありませんか。そうだとすると、何の検査をしても異常なしとなるはずです。頭痛持ちの体質による頭痛だからです。
一般に春から夏にかけて具合いが悪くなります。具合が悪いといって、会社を休みがちになり、朝からぐずぐずしていたり、休日に朝寝坊をしたりするとさらに具合が悪くなります。元々低血圧ですから、朝は弱いはずですが、その体にむち打って、朝から起きて働くと自然と体調が良くなる方もいます。会社の仕事も思いっきり十分に働くとストレスは増えても体の調子は良くなるはずです。このタイプの頭痛はストレスが原因ではなく、ストレスが適当にかかった方が良くなるものですから。
このタイプの方は、またくすりに対しても神経質です。こうしたときは安定剤も良いのです。まだ妊娠もしていないのに、胎児に対してくすりの副作用を心配するほど、奥さんは神経質な方ですね。ひょっとするとご主人も同じように神経質な方で、二人で症状を増幅されておられませんか。薬をのんでいる間は妊娠をしなければよいのです。(もっとも、妊娠・出産をされるとこうした症状は軽快することもあります。)
以上、少しでも心当たりはありませんか。あればこの文を奥さんに読ませてください。こういう症状はその人を全人的に診なければ分からないので、神戸や西宮のどこの病院がよいとかは個人的にそこの医師を知らないので言えません。きちんと診察・検査を受けられ、悪い病気がないとのことであれば、上記のように生活態度を変えてみる、あるいは、しばらくは精神安定剤をのんでみる、のは如何でしょうか。安定剤にもこうした症状に適したのがありますが、ご当地の医師にお任せしましょう。
以上でした。