相談事例94の相談内容と回答(H13.7.1)

●相談文
 40才、男です。
 性病は時間が経つにつれ段々症状が軽くなり、じきに治ってしまうのでしょうか。また、症状がないと保健がきかないのでしょうか。
 実は、感染したと思われる時期(初めて症状が出た日。心当たりある日の当日夜)は、昨年11月。仕事が忙しいのと、病院に行く勇気がなかったということもあり時間が経ってしまいました。期間が長いので症状の説明が少し長くなりますが、詳しく書きます。
期 日
症  状
2000年11月ペニスの先端出口部分が赤く腫れ触ると痛い。排尿の痛みはなし。尿道出口から2センチ位のあたりの鈍痛。と違和感。握ると少し。射精時、尿道が少し痛い気がする。
2000年12月先端部分の赤い腫れは治ったが、違和感あり。精液に血がまじった。3日目なくなった。
2001年1月先端部分の赤い腫れは治った。違和感なし。そけい部の重苦しい鈍痛。たまに。1ヶ月位つづく。射精後ペニスの先端部分の口のあたりが少し赤くなる傾向があるように思う。
2001年2月からそけい部の重苦しい鈍痛は消えた。少しだけ。右足の根本リンパのあたりに重苦しい鈍痛と右の玉のあたりに鈍痛。たまにあり。袋の色がいつもより赤く熱をもっているような気がする。右下腹部重い少しだけ。この症状が軽くなったものの今日まで続く。たまにですが...
2001年6月9日泌尿器科へ行った。今現在症状がないので保健が難しいと言われたが、そけいの鈍痛たまにあるということでクラミジアと淋菌の検査をなんとかしてもらった。尿検査と尿道に直接何かを入れて菌を採取する検査と血液検査。
2001年6月16日尿再検査。クラミジアと淋菌の検査は異常なし。当院で出来ることはここまでと言われた。他、ブドウ球菌・梅毒・エイズ等の心配等を聞いたが保健で出来ることはここまで。あとの検査は保健所でも行ってくださいよ。と言われました。実は、初診の際、症状を紙に記入するのですが、恥ずかしかったので簡単に書きすぎて、受付で若い看護婦に痛みってどこが?はい?!もっと具体的に!腫れは?と詳しく聞かれ、2人で含み笑いをまじえて質問責めにあい、恥ずかしさのあまりいや特にないと言ってしまい過去の症状も詳しく言っていません。先生も紙を見るだけで特に詳しく症状を聞いてきませんでした。
「だいたい何ヶ月も前の診察を今するなんて事はできませんから!今現在特に症状がないなら、保健がききませんけど!」と強い口調で言われました。もうこの病院へは行きたくないというのがありますが心配です。彼女に感染してはいないか等もあり、恐怖です。
 今の症状は、右足の根本リンパのあたりに鈍痛。右下腹部重い。がたまにある程度。その後、先端部分の赤い腫れも血精液もありません。
一番気になるのは、射精後、尿道がむずがゆいのと、精液がついたペニスの先端の口の部分が赤くなること。長くなり申し訳ございま せん。
以上です


●回答文
 性器ヘルペス・梅毒の初期硬結などは、症状が軽くなり、消失することがありますが、これは治ったのではなく、潜伏していると考えた方が正解に近いでしょう。逆に悪化して治り難くなっていく方が多いでしょう。一般論として全く症状がなければ、健康診断ということになりますので、保険診療にはなりません。ただし、医師が患者さんの話をよく聞いて、必要な診察を行なって、これらの病気の疑いがある、といったときの検査は,保険が使えます。ただし、エイズ検査は、自費です。保健所で調べてもらうのは無料です。
2000年1月尿道口炎と尿道炎が考えられるが、診察していないので推定です。
2000年12月血精液症疑
2001年1月これでは何も推測できません。
2001年2月これもなんともいえません。
2001年6月16日ブドウ球菌をはじめから疑うことは不可能です。梅毒は、患者さんの訴えを聞き(例えば、パートナーが梅毒であるとか)また、診察をして疑いが強ければ検査は保険で行ないますが、あなたの書かれた症状では疑いは少ないと推定します。
2001年6月19日秘尿器科以外の場合も考えられ複雑ですので、病気の推定はできません。
 射精管、射嚢腺などの感染症もまた慢性前前立腺炎なども否定できませんので、泌尿器専門医受診をおすすめします。