相談事例88の相談内容と回答(H13.6.16)

●相談文
 28才 女性です。脳神経外科でお聞きしたい事があります。
2ヶ月程前に、朝目が覚めた時部屋がグルグル廻りました。寝た状態で目を閉じ頭を動かさず30分位じっとしてたら治まったんですが、ちょっと頭を動かしたらまたグルグル廻り始めてしまいました。3時間後位にはめまいは治まったんですが、ものすごい頭痛・吐き気が1日中続きました。そして起きた体勢でいる時はめまいは起こらないのですが、頭痛が激しいので何度も横になろうとしたのですが、頭を枕についた瞬間にまたグルグル廻ってしまいました。こんな状態が10日間ほどなったり、ならなかったりと続きました。決まって、朝その回転めまいが起きないとその日はまったく元気な状態です。同じ症状が最近またでてきてしまいました。前になった時はエニメール病かと思い耳鼻科で検査を受けたのですが、”自律神経失調症”と言われてしまったのですが、
何か脳の病気ではないでしょうか??
よろしくお願いします。


●回答文
 あなたの症状は典型的な頭位性めまい症です。急性の内耳前庭機能障害によるもので、はじめは頭を少し動かしただけでもひどい回転性めまいが生じるのですが,次第に軽快すると、寝たり起きたりの動作のように頭の位置を大きく変えた時のみにめまいがおこります。つまり,あなたのめまいは大分軽くなっているわけです。これは低血圧症、頭痛持ち、たちくらみ、乗り物酔い、などの自律神経失調症体質の女性に起こりやすい症状です。また、季節がら,気温の変動しやすい頃,ことに、春から夏にかけて気温が上がってくる頃に頻発します。また、朝寝をしてのんびりしている時に起こりやすく、仕事でストレスがあっても張り切っているときにはそれほど起こりません。治療は,急性期は安静にして抗めまい薬をのんだり点滴をしますが,軽くなってくると,むしろ積極的に身体を動かして軽いめまいに慣れることがはやく良くなるコツです。急性期にびっくりしてパニック障害を起こし、血圧が上がって救急車を呼ぶ場合もあります。  中年以後では脳腫瘍や小脳梗塞などの可能性が出てきますので、脳神経外科などで調べておいてもらうことをお勧めします。また、あなたのようにお若い場合はメニエール病の可能性は少ないのですが,将来,この病気に移行することもあります。メニエール病といっても聴力や耳鳴りの問題が出てくる程度で、悪性ではありません。ご安心下さい。
なお,頭位性めまい症ではウイルス感染のことや逆立ちして治療することなどが話題になることがあります。