相談事例80の相談内容と回答(H13.6.16)

●相談文
 こんにちは。私は30歳になった主婦です。昨日産婦人科へ行ったら、妊娠6週2日と言われました。初めての妊娠です。同時に卵巣が片側腫れていて、6cmだと言われました。「今手術すると流産の危険があるから、安定期にはいったら、手術するかもしれない」と言われました。実は、以前から左の下腹部が、排卵日付近になると毎月ではないのですが、少し痛くなったり、おりものに血が混ざる事があり、婦人科を受診したことがあります。6ヶ月ほど前の事です。その時に超音波で見てもらったのですが、「卵巣は左右ともきれいですよ。排卵に伴うもので、たまに痛みを感じたり、出血する人もいます。」と言われ安心していました。  医学書などを読んでみると、「妊娠に伴って卵巣が腫れる場合があり、その場合は妊娠5ヶ月頃には、腫れはひく」と載っていました。私の場合は妊娠に伴う腫れなのでしょうか?それとも、妊娠以前から腫れていたのでしょうか。6ヶ月の間に急に腫れるものですか?妊娠以前は排卵日しか痛くならなかった左下腹部が、妊娠してからは1日のうちに5,6回弱い痛みを感じるようになりました。ちなみに、引越しをしたので、6ヶ月前に受診した産院と、今回の産院は違います。
よろしくお願いします。


●回答文
 妊娠初期に卵巣に水がたまって卵巣嚢腫のような状態になることは珍しくありません。これは、黄体嚢胞といって、妊娠に伴うホルモンの変化で発生するもので、妊娠中期になると自然に消失します。
 あなたの場合は、6ヶ月ほど前に卵巣は腫れていないと言われていたのですから、妊娠に伴う黄体嚢胞である可能性が極めて大きいといってよいでしょう。初診で卵巣嚢腫か黄体嚢胞かの区別はできないことが多いので、妊娠中期まで経過をみますが、それは、「妊娠初期に手術すると流産の危険があるから」というよりも、「黄体嚢胞ならば妊娠中期までに消失するから」なのです。