相談事例77の相談内容と回答(H13.6.16)

●相談文
 はじめまして、35歳、男です。最近、気になる頭痛が起りいろいろ検索しているうちにこのページを見つけました。
  2,3週間前から決まった条件下で発生します。
スクワット(立ったり、しゃがんだりする運動)や腹筋運動を行うと後頭部から頭の上の方にかけて頭痛がだんだん激しくなり、その運動をすることができなくなります。(気持ち的にこれ以上続けると血管が破裂するんじゃないかという恐怖感で運動をやめています。)運動を中止すると頭痛は徐々に治まります。運動の負荷はスクワットの場合、20回から30回を越えたあたりから頭痛が激しくなってくる感じです。私の身長と体重は、170cm、80kg弱です。頭痛は、ズキン、ズキンとくる感じでしょうか。このズキン、ズキンがだんだん大きくなる感じです。
 いろんなホームページで調べてみて、良性労作性頭痛と呼ばれているものに症状が似ているのかと思い、そこに書かれていたアドバイスを読んで、鎮痛剤(バファリン等)を飲んでからスクワットをしてみました。確かに頭痛は和らいだ感じなんですが、やはり後頭部に違和感が出てくるのでこの方法は1日でやめました。
私の現在の運動習慣は、自転車通勤(片道8km)と、週2回程空手を習っています。これらを行っている時には頭痛はほとんど出ません。いままで、あまり頭痛で悩んだことがないのでかなり不安になっています。私のような素人がいろいろ調べて判断しても恐いので、ご相談させて頂きました。
乱文で申し訳ありませんが、何卒宜しくお願い致します。

頭痛相談システムの結果です。
精密検査が必要な病気も考えられます。
近くの医院を受診すると良いでしょう。
頭痛相談システムの選択した内容です。
性別:男性
年齢:30〜39歳
今回の頭痛の部位:てっぺん
後頭部(うしろあたま)
いつから始まったか:1〜2週間前
頭部打撲歴:頭や顔を打ったことはない
過去の経験と比較:これまでに経験した事がないような頭痛
痛みの程度:気になる程度
眠れる
我慢できる
痛みの性質:ズキンズキンズキンと脈打つように続く
言うにいえない・わからない
始まりの様子:その他
頭痛の治まるとき:まだ多少痛い(重い)、すっきりしない
増悪するとき:便所などで力むとひびく
一日の経過:とに傾向はない
朝目覚めたとき:朝目覚めたときは痛くない
短期的な経過:あったりなかったりする
最近継続している症状:体がだるい、疲れている
気分がすぐれない



●回答文
 この頭痛は、それほど多くありませんが、労作性頭痛exertional headacheといいます。原因としては、4種類あります。
 まず、CTスキャンかMRIで頭の中に病気がないかどうか、調べておくと良いでしょう。脳腫瘍があればこの検査ですぐに分かります。また、水頭症やキアリ奇形という病気があっても見付かります。
 つぎに、頭痛に伴って顔面が青ざめ、冷や汗がでて、胸がどきどきするようならば、血圧を測ってください。これが200以上(収縮期)、ときには240以上に上がっていれば、副腎腫瘍の可能性があります。内科などにに相談下さい。疑いが消えなければ、尿の検査などをしてくれるはずです。
 それがないと分かれば、あとは良性の頭痛二つです。
 一つは、筋収縮性頭痛が労作に伴って起こるもので、強い緊張やはげしいスポーツなどでおこりやすいのです。ぎゅーっと締め付けられるように痛く、ひどくなれば、ガンガンします。場所は後頭部やうなじの部分で、頭をぐるりと取り巻くように痛くなったり、頭全体が痛くなることもあります。筋肉が元々緊張しやすいタイプの方、例えば、リラックスしても筋肉の緊張が続いていて、筋電図などで筋放電が続くような方に起こりやすいのです。この場合は鎮痛剤や安定剤をのむと効きます。
 もうひとつは、元々低血圧症体質、自律神経失調症体質(几帳面で立ちくらみやめまいがあり、頭痛持ちで、子供の頃には乗り物酔いがあったようなひと)に起こりやすい血管性頭痛です。片頭痛に近いものですが、必ずしも左や 右によるとは限らず、真ん中が痛くなることもあります。激しく痛むときは気持ち悪くなったり、吐いたりします。 ズキズキ、ズキンズキンと拍動性に痛くなるのが特徴的です。これが運動に伴って起こるものです。以前は、血管収縮剤をのんでもらったこともありますが、いまは抗セロトニン作用を持つ注射があります。これを打って 十数分以内に収まれば間違いありません。ただし、注射ですから病院に行かなかればならず、不便です。将来は飲み薬がでるとも言われています。鎮痛剤や安定剤でも多少効くことがあります。とりあえずの対処としては、激しい運動を避けるのも一法です。
 両方の頭痛ともに、痛むときは不安と緊張で血圧が多少上がっています。それで高血圧の所為だ、と言われ、不必要な血圧降下剤を出された患者さんもいました。一時的な高血圧は上記の副腎腫瘍を除いて、結果であって、原因ではありません。気をつけてください。 以上です。


●お礼
 大変早いアドバイスを頂き有難う御座いました。
頭痛が発生していた運動は少し休んでみます。少し安心致しました。
 ネットでこのように親切にアドバイスして頂けた事に大変感謝しております。
また、頭痛診断システムの更なる進化も期待しております。
これからも、頑張って下さい。
それでは、失礼致します。