相談事例71の相談内容と回答(H13.6.13)

●相談文
 祖父(70歳後半)のことについて知りたくてメールしました。先生方には抽象的なメールでお答え辛いとは思いますが可能な限りでお教えください。お願いします。
 祖父は片足の付け根を骨折し、総合病院で手術致しました。手術自体は成功し、痴呆症も、かなり進んでおりますので、すぐにでも退院の予定でしたが、熱が出て退院が延期になっております。
 そこで、親戚の者が看護婦さんから聞きました事には、点滴より細菌が混入し、体内がカビだらけになっているとの事です。はたして、そのような事が本当に起こるのでしょうか?
 また、もう一人の祖父も違う病院ですが、細菌感染したと言われました。高齢者にはこういう事が、よく起こるのでしょうか?そして、細菌感染した体はどうなるのでしょう。また、細菌を除去出来る方法はあるのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、対処の方法が分かりませんので、御教授下さい。


●回答文
 70歳代の祖父についてのご質問にお答えします。おそらく大腿骨頭の骨折で、骨髄内に釘を入れて固定されたのでしょう。なるべく早く離床してリハビリに入りたい訳ですが、高齢で痴呆ぎみであると、それが思うように進まないのが現状です。離床が遅れると痴呆症が進み栄養状態も低下して、抵抗力がなくなります。そうなるとMRSAなどの薬が効かない細菌あるいはカビ類の感染が起こって面倒なことになります。必ずしも点滴が原因とは言えないでしょう。「カビだらけ」との噂話があるようですが、口の中に常在するカビご誤って気道に入って、それが元で全身にカビが感染する場合があります。治療の名案はないのですが、おそらく主治医の先生方ができる限りの工夫をしておられるでしょう。