相談事例65の相談内容と回答(H13.6.13)

●相談文
 40歳、男性です。かれこれ1年位前から話をする時に口がこわばるようになりました。最初は上下の唇が乾いていてそれがくっついて第一声が発音し辛いという感じだったのですが、最近では何か唇に麻酔がかかっているかのようで平気を装い話を続けても自分でも唇がこわばっているというか、口(唇)の動きがぎこちないままに声を発しているというのがわかります。話している相手がそれを気にして相手まで唇を伸ばしたり、口の体操をしだし、それをみると”ああ、自分の口の動きが変で気になるんだな”と思い、話すのに気が重くなります。相手が部下、上司、お客さんに限らず、特に自分が何かを説こうとする場合にその症状が強く出るように思います。ただ不思議と家族団らんでいるときには平気なようです。
 原因が唇の乾きかと思い皮膚科で診てもらった時は唇が荒れていると言われ(見た目はそうでもない)塗り薬をもらいましたが塗った直後は確かにすべりもいいのですがすぐに元にもどります。それに唇の部分だけでなく口の周りごとこわばっているように感じます。ストレスが原因とも思い心療内科も訪問しましたが「ストレスが原因でそういうことは考えられない、唇が原因では?ここでは身体的に問題ないのというのが前提にないと精神面での診察が出来ない」と言われました。気功もされる鍼灸院では胃が弱っているからそことつながる口にそういう症状が出ると言われました。そのうち治るだろうとほっても置きましたが事態は一向に良くなりません。そんな状態で話すものだからストレスも感じ、話しながら側頭部に頭痛も感じてきます。
くも膜下の前兆かとも思ってしまいます。一体、何科で診てもらい、どういうことを心掛けたらいいのでしょうか。


●回答文
 お困りの様子を見ますと、まず、唇、ついて、口の周りの筋肉が思うように動かない、こわばっている、しかも、人前などで緊張したときに起こりやすい、と言うことのようです。不随意運動やこわばりを起こす錐体外路系疾患の可能性があると思われます。そのなかのパーキンソン病としては、少し合わないところもあります。ふるえ、チック、筋クローヌスなどの変な運動が見られないことからは、両側錐体路の病気も考えられます。進行性痙性麻痺、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、などなどです。いずれも、神経内科の病気です。脳腫瘍などの脳神経外科の病気としては少し合わないようですが、念のため頭の画像検査(CTやMRIなど)も受けておきましょう。しかし、やはり、目で見て診察しなければ本当の診断はできません。神経内科を受診されることが一番です。ただし、まだ年齢が若いところからは、心療内科的な病気も否定はできません。頭痛がすると言ってもくも膜下出血とは関係ないでしょう。
皮膚科や針や気功はまったく関係ありません。
繰り返します。神経内科を受診して、きちんと診断をしてもらって下さい。治療はそれからです。


●お礼文
お世話になります。
おっしゃる手順で診てもらおうと思います。
ご回答いただきありがとうございました。