相談事例54の相談内容と回答(H13.5.9)

●相談文
 25歳の男性です。ここ6年ほど、頭痛持ちで悩んでおります。基本的には、寝起きに多く、寝ている時間が長ければ長いほど上記のような事象のおこる可能性が高いです。(10時間以上睡眠時間を取ると、ほぼ必ずといっていいほど頭痛が起こります。)脳神経外科等には通っておらず、CT/MRI等は見てもらっておりません。考えられる症状を教えていただけますでしょうか? 以下に「頭痛相談システム」の結果を添付いたします。
性別:男性
年齢:20〜29歳
今回の頭痛の部位:後頭部(うしろあたま)
頭の右半分または左半分
今回の頭痛の部位:頭の右半分または左半分
いつから始まったか:2年以上前
頭部打撲歴:頭や顔を打ったことがあるが、それが原因か不明
過去の経験と比較:以前から同じような頭痛が続いている
痛みの程度:頭痛薬を必要とする程度の痛み
痛みの程度:我慢できないほどの激痛
痛みの程度:激痛だがじっと横になれば軽くなる
痛みの性質:ズキズキッズキーとくる
ズキンズキンズキンと脈打つように続く
ツキン、ツキーンといたむ
キリキリ
ガンガンと頭が割れそうな
熱をもったよう
始まりの様子:目が覚めたら痛かった、痛くて目が覚めた
随伴症状:その他
頭痛の治まるとき:まったく痛くない
増悪するとき:くつろいでいるとき、ひまなときに多い
動く・歩く・走るとひびく
便所などで力むとひびく
軽快するとき:ひと眠りすると軽くなる
一日の経過:午前中に痛く午後には比較的よい
朝目覚めたとき:すでに頭が痛い
短期的な経過:その日のうちに軽快する
最近継続している症状:耳鳴り、頭鳴り
めまい(まわる、揺れを感じる)
眼前の視野に見えにくい部分がある
既往歴:片頭痛、頭痛もち



●回答文
 問診項目の選択肢から、また、メール内容から、窺えるのは、典型的な片頭痛であり、片頭痛体質です。頭痛の性質などで、多少コンピュータを惑わせるような選択肢が選ばれていますが、おそらくは片頭痛で間違いないと思われます。
小生がいろいろな患者さんを診てきた経験から言えるのは、片頭痛は朝のんびりと寝ていると起こりやすいことです。つまり、休日や暇なときに起こりやすいのが片頭痛の特徴です。これがストレスによる他の頭痛との違いで、ストレスがあってそれが一段落したときに起こりやすいのです。また、この季節、つまりだんだん気温が上がってくる春にも片頭痛体質の方は頭痛やめまいなどの症状を起こしやすいと言えます。対処・治療方針としては、まず、朝寝をせずに早起きをして働くことです。片頭痛の方は仕事がいっぱいあってそれを順調にこなしているときは調子がよいものです。しかも、完全主義の方が 多いですから、とことん自分が納得するまで、仕事を完成させるべきです。中途半端な仕事をしていると、もやもやして調子が悪くなるようです。 片頭痛の薬物治療は最近大きく変わっています。医師が、昔のような血管収縮剤を差し上げることは減っています。頭痛の起こり始めに出来るだけ早く普通の鎮痛剤をとん服でのむことが勧められます。ただし、朝目が覚めたときにすでにかなりの頭痛があるときは頭痛薬をのむタイミングを失していますから、効き目が思わしくありません。片頭痛の頻度が多いときは、別の薬があります。また、注射もあります。この欄の以前の回答をご覧下さい。