相談事例5の相談内容と回答(H13.2.5)

●相談文
 風邪の頭痛はどうして起こっているのですか?
また、二日酔いの頭痛のメカニズム教えてください。
アセトアルデヒドができると何故に頭痛がおきるの?


●回答文
 風邪の頭痛のメカニズムですね。風邪で鼻やのどが痛くなったり炎症を起こすと、その刺激で頭のほうに鈍痛を感じることがあります。風邪によって発熱すると、頭の中や頭皮の中の血管が拡張して血流が増え、頭がズキズキ痛くなります(血管性頭痛といいます。)。風邪をこじらせて肺炎になると発熱だけではなく、呼吸が苦しくなります。これで血液中の酸素が減ってくるとさらに血管が拡張して頭痛を感じます。 風邪にはウィルスによるものと細菌性のものがあります。ウィルスはのどや鼻にとりつく以外にも、血液中に増え、頭にもやってきます。ウィルスが頭の中の髄膜にとりついて無菌性髄膜炎を起こし、髄膜刺激症状でズキズキガンガン痛くなることもあります。風邪の治りかけに、起きあがるとガンガン痛くなる、咳をすると響くことがあるのはこうした頭痛と考えられます。風邪の治りかけには次のような頭痛もあります。すなわち、風邪はほんらい鼻やのどの炎症ですので、副鼻腔炎(ちくのう)や急性中耳炎を続発することもあり、そうした炎症で前頭部や側頭部が部分的に、さらには頭全体が重く、あるいはズキズキと痛くなることもあります。 頭が痛くなり、病医院で風邪と診断されて薬をもらった人が、実は頭の中の出血(くも膜下出血など)であった人もいます。ご用心下さい。 二日酔いの頭痛ですが、質問者がすでにお書きになっておられるように、アセトアルデヒドが犯人です。酒を飲むと顔が赤くなることで分かるように(人によりアセトアルデヒドの産生量が異なりますが、)、アセトアルデヒドは血管を拡張させます。頭の中の血管を拡張させることにより、やはり頭痛が来ます。ひどくなると血管周囲にむくみが来て脳圧(頭蓋内圧)が高まることも考えられます。そうすると、さらに頭痛は増強します。