Windows World Expoレポート!!


「携帯端末」市場が活気づいていることはこれまでもレポートしてきたが、各社がそれぞれの"得意技"でまさに"しのぎを削る"激戦に突入したといえよう。日本のビジネスマン向け携帯端末の中で抜きんでているのはシャープのZAURUSだが、この状況が少々変わりそうな予感がする。シャープは米国アップル社との共同開発の経験を生かしZAURUSに応用、成功したが、携帯電話がそうであったように「普及化」が進むほどに次世代への「標準化」という部分が問われるはずである。特定の国や地域にとどまらない国際標準という見方をすると、例えばZAURUSでもなければ、アップルのNewtonでもないということになる。
そうしたときに、Windowsパソコンとの高度な互換性を実現し、オープンプラットフォームを採用した初の携帯マシンH/PCハンドヘルドPC)が、その搭載OSである「WindowsCE」とともに米国で高い評価を得て、ついに日本に"乱入"してきたのだからエライことなのだ。Windows95直系のGUIを実現、Word / Excel / Internet Explorerの"ポケット"版を標準で搭載している。しかも、NEC / カシオ / Compaq / HP / 日立 / LG / Philips等のメーカーが既にマイクロソフト社製OSのライセンス契約を締結、この度NECとカシオの2社が「日本語版」を製品化、6月25日の幕張メッセ「Windows World Expo」初日に合わせ、同時に発表したのである。
なお、富士通・東芝が「WindowsCE搭載機で参入」を発表。来春2.0日本語版で本格参入、他社の追随もあるとか。シャープがほぼ独占の市場も来年からCEとザウルスの争いとなり、PDA市場拡大に弾み...(以上記事より抜粋)

MS
さて、前書きが長くなってしまったが、今回その初日の幕張メッセに足を運び、NEC【モバイルギアMC-CS11/12】とカシオ【カシオペアA-50/51】をジックリ見て、触って感じたことをここにレポートすることにした。まさにHPCホームページの「H/PC」インプレッション・レポートである(^^;;

まずは、左の写真がマイクロソフト・ブースの「WindowsCEコーナー」。左に【Mobile Gear(モバイルギア)】右に【CASSIOPEIA(カシオペア)】のロゴが見える。もう初日から人だかりだ。

WindowsCE関連資料:
(1)マイクロソフトのWindowsCEページ(日本版)
(2)マイクロソフトのWindowsCEページ(米国版)
(3)PC Watch「マイクロソフトWindows CE 1.01日本語版・発表」
(4)PC Watch「NEC、新「Mobile Gear」3モデルを発売」
(5)PC Watch「カシオ、Windows CE日本語版搭載カシオペアを7月10日発売」
(6)NECモバイルギア・ニュースリリース
(7)カシオCASSIOPEIAニュースリリース

もっと関連のサイトを見てみたい方はどりあんの「WindowsCE関連リンク集」へどうぞ!



速度のNEC、総合力のカシオ
 総合的に見て両者の「性格の違い」が明らか。

【モバイルギアMC-CS11/12】
...WindowsCEですがやっぱり「モバイルギア」ですね。出先で通信するのに使うだけならWindowsCEである必要はないと思う...(写真左下)。
【カシオペアA-50/51】
...何やら「てんこ盛り」ですね。カシオらしいけど、フル・インストールは無意味に重くしているという感じ(写真右下)。
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スペック的な相違点は
M...モバイルギアに軍配
C...カシオペアに軍配
△...どちらともいえない(製品入手後、比較してみたいと思ったがモバギCEの発売遅れで断念!)

モバイルギア
MC-CS12
カシオペア
A-51
△ CPU64-bitのVR4102SH-3(32ビットRISC CPU)
M ソフトモデム付いている(14.4K**付いていない
M 電池寿命40時間*
(ソフトモデムでの連続通信時6時間)
25時間*
M サイズ:幅175mm185mm
C CompactFlashスロット無しあり**
C Winキー/Funcキー無しあり
C マイク無しあり
C 重さ400g390g
C 充電池の充電時間10時間***5時間***
C 3-pin端子なしあり
C 辞書なしあり(4種類)


*ただし、 モバイルギアMC-CS12の電池寿命計測の条件は「文書表示状態で、5分スクロール/55分表示の場合」。カシオペアA-51の「Wordで1分連続入力/10分表示を繰り返し」と比べると電池が長持ちしそうな条件だが、NECの条件でA-51がどうなるかが知りたいところだ。
WWE会場で展示されていたA-51は、ソフトのフルインストール状態で動きがどうしてもMC-CS12より遅い。同一条件のベンチでもVR4102に軍配が上がるかもしれないが、致命的な差ではないと見る。

**カシオペアにはCompactFlashスロットがあるので、PCカードスロットをモデムで占有できる。28.8K以上のカードやISDNカードを差して使った場合なら14.4KのMC-CS12には対抗できる。今どき14.4Kも無いだろう...とは思う。

***10時間充電で22時間使用できるモバイルギアの充電池と、5時間充電で15時間使用できるカシオペアの充電池。これは後者の勝ちか。


発売時期と価格
徹底的な比較レポートはモノが入手できてからに回すとして、問題の発売時期と価格は以下のとおり(価格はメーカー希望小売価格/税別)。カシオペアは発表通り7月10日から発売されたが、モバギCEは結局、2ケ月も発売遅れ!ようやく9月17日発売になった。ちょっと遅すぎて完全にカシオペアの不戦勝ですね(9月26日追記)。

(以下は当初発表時の公表内容)
 モバイルギアMC-CS11(4MB)...7月18日/¥73,000
 モバイルギアMC-CS12(8MB)...8月28日/¥89,000

 カシオペアA-50(4MB)...7月10日/¥75,000
 カシオペアA-51(8MB)...7月10日/¥88,000

というわけで、モバギCEが期待を思いっきり裏切ってくれたお陰で、予定していた「実機による徹底比較」も出来ずに2ケ月が過ぎてしまいました。ハッキリいって今さらやる気もありません(9月26日追記)。


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Last-modified: 9/26/97
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