ロストワールズ
Lost Worlds / 日本ソフトバンク(NOVA)
ショートコメント
●通常のパラグラフ式とは全く違うタイプのブック形式ゲーム、二人の戦士がスキルの限りを尽くして戦う
Totally different book type game in which 2 warriors fight with achiving
maximum surprise.
published |
designed |
players |
time |
1986 |
Alfred Leonardi |
2 |
30+ minutes |
コンバットブック
1986年当時、パラグラフ選択式のアドベンチャーブックが隆盛でした。
そんなときに新しいタイプのブックゲームとして登場したのが、「ロストワールド」でした。
「ロストワールド」は、二人対戦用の剣技ゲームです。プレイヤーは自分のキャラクターを選びます。
自分のキャラのキャラクターシートを取り出し、冊子本体は相手に渡します。
なぜかと言うと、冊子は相手から見た自分の姿が描かれているので、戦闘中は相手が冊子本体を参照するからです。
プレイヤーは互いにキャラクターシートの行動の中から現在の状況で許されるものを一つ同時に選択します。
これを互いに相手に次げ、この組合せに因って指示されるページを開くと、行動の結果、相手がどんな状態になったかがイラストで描かれている‥という具合です。
ファイナル・コメント
ゲームの基本は一種のじゃんけんなのですが、戦闘の状況による制約が加わって駆け引きや試合運びの要素があるタクティカルなゲームになっています。
このゲームシステムが良くできているため、様々な個性を持つ多彩なキャラクターを描き出すことができるようになっています。
そして、このキャラクターが多彩であることが、このゲームを成功に導いたと言えるでしょう。
ただし、キャラクター間のバランスは個別に取り上げると必ずしも良いとは言えません。つまり、相性があるのです。ただ、これは欠点ではなく、ファンタジーの世界が本当にあったとして、そこには相性があり天敵関係があることでしょう。
ゲームとして買うときの注意点としては、こうした相性問題があるので特定の2冊だけを買って遊ぶと問題が起こる可能性があるということです。多目のキャラクターを手に入れて、いろいろな対戦ができるようにするのが良いでしょう。
関連ゲーム
●グラジエーター
右が一番オーソドックスな剣士のキャラクターシートです。
基本的には、ダウンスイング、サイドスイング、突きの3種類の系列の攻撃があり、さらにサイドスイングと突きは高い位置と低い位置に分類されています。
これらに対応して防御方法としてかわす、飛びずさる、身をかがめる、飛び上がるという対応があり、さらに盾を使った防御や、防御しながらの攻撃、フェイント、特殊な行動などがあります。
剣士は特殊能力はありませんが、剣技に長けておりこうしたアクションのすべてを網羅しているのが強みです。
他の特殊なキャラクターには、凶悪な得意技や、奇怪な特殊能力があったりしますが、逆に苦手な部分もあって個性付けがされています。
「ロストワールズ」は第1期8キャラクター、第2期に7キャラクターが日本ソフトバンクから発売されました。
本国のNOVAからはさらにいくつかのキャラクターが出版されていましたが未訳に終わっています。
このほかに同人誌的な出版のものや、設定が異なる類似のものなどもあり、根強い人気に支えられてかなり多彩な戦士が登場しました。
左のイラストが冊子の内容の例です。
自分のアクションを選択すると、そこに対応して書かれている偶数番号のページ(ページの下部のボックス部分)を開きます。
そして相手のアクションを聞いたら、そのボックスの中に書かれているリストの中に相手の番号を見つけ、そこに対応して書かれている奇数番号を見つけます。そしてその奇数番号(ページの上部のイラスト部分)を参照すると相手の結果状態が分かるという具合です。
左の例では、31ならば貴方の攻撃がヒット相手のゆうれい男の腕にヒットしました。32ならば体をかわされてしまったことになります。
イラストのスクロールの折り返し部分には相手に告げる次の選択行動の制限などが書かれていますので、相手にコールします。
そして互いの制限の元に次の行動の選択に再び移っていきます。
これを繰り返して相手を倒すまで戦い続けるのです。