バトルボール
Battle Ball / Milton Bradley
ショートコメント
●アイアンウルブスとブラックハーツ、宿命の対決がいま幕を開ける! 未来のスーパーボールの幕開けだ!
●往年のブラッドボールをシンプルにした作りで、ミルトンならではのコストパフォーマンスでフル塗装が実現
Iron Wolves against Black Harts, battle of fate. Superball of the future just comes on the gameboard.
Simpler game which is similar to "Blood Bowl", but it has unbelievably valuable price with full colored figures of 2 teams.
published designed players time
2003 ??? 2 30-45 min.
未来のスーパーボール再び!
 アメリカで圧倒的な人気を持つアメリカンフットボール。これをSFやファンタジーのキャラクターで戦おうという試みは数年に一度ゲーム界に出現します。
 ゲームズワークショップの「ブラッドボール」は版を重ねてもっとも有名なものですが、残念なことに現在は絶版のようです。
 しかし、2003年のクリスマス商戦、ミルトン・ブラッドレーがこの人気の題材を再び世に出しました。それが「バトルボール」です。
 ゲームルールはよりシンプルに、その一方でフルカラー塗装済みのフィギュアが2チーム分きっちり付いていて驚くほど良心的な値段でした。
 中でも表紙絵にもなっている通常の選手の4倍はあろうかというヘヴータックルポジションの選手は圧巻です。
ファイナル・コメント
 とにかくタッチダウンしてしまえば良い訳ですから、快速の選手で走り抜けてしまうのが早道です。
 しかし、こうした選手がタックルで刈り倒されていくと、徐々に選手の数が減ってきて殺伐とした有様になってきます。
 ハーフが終わるまでタックルで除去された選手が戻ってこないのでプレイは必ず収束し、先に2回のタッチダウンを取ると勝利であるため、3回のプレイでゲームは終了します。このため、プレイアビリティは非常に良好で、だらだらと長引いたりすることはありません。
 ルールのシンプルさと合わせて、この辺りはゲーム慣れしていない人にゲームをしてもらうことを強く意識しているように思います。
 その意味ではプレイヤーフレンドリーで良いゲームだと思うのですが、逆に「ブラッドボール」のような豊富なキャラクター満載で、チームの個性を自分でデザインしてリーグ戦をやるようなゲームを期待する向きには物足りないでしょう。
 あとダイスを使うゲームシステムの都合上、どんなに当たり弱いランニングバックであっても、出目次第ではヘヴィータックルを吹き飛ばしてしまうことがありえます。このため、思わぬナイトメアショットであっという間にタッチダウンが決まることもあります。
 良くも悪くも豪快なゲームですので、おおらかに楽しみましょう。
関連ゲーム
●ブラッドボール
●デスゾーン
 プレイの画像を見るとわかるのですが、選手のベースの色が青、黄、赤、緑、黒などで色分けされています。
 そして、このゲームでは、6、8、10、12、20面体の5種類のダイスを使います。そして、ダイスも面数ごとに色が違っていて、それぞれのポジションの選手は、移動やタックルの解決のときには対応する色のダイスを振るのです。
 たとえば、赤いベースのランニングバックは、赤の20面体のダイスを使います。移動のときには出た目がそのまま移動力ですから、ランニングバックはチーム1の快速選手です。その一方で、タックルのときにはお互いの選手がダイスを振り合って、小さい方が勝ちです。ですから、ランニングバックは一番当たり弱いのです。
 大型のヘヴィータックルの選手は黄色のベースを持っていて黄色の6面体を振るのですが、このときに通常と異なって二つ振って好きな目を選びます。ですから、タックルのときには小さい目を選べるので非常に強力です。その一方でゾロ目が出てしまうと、足が縺れて動けなくなってしまいます。
 タックルに負けた選手はベンチに退き、タッチダウンが決まってプレイが再開されるまでゲームから離れます。
プレイアビリティの高いゲームシステムとコンポーネント
 ゲームシステムは、非常に単純です。自分の手番にできることは、チームの一人の選手を選んで移動させることです。相手の選手に隣接するマスに進入すると停止しなければなりません。ウォーゲームのZOC(支配地域)と同じ考え方です。そして、移動終了時に隣接しているとタックルを解決しなければなりません。
 移動の途中にフリーの状態のボールと同じマスに入るとボールを拾うことができます。ボールを持っている相手にタックルで勝つとボールを奪うことができます。そして、エンドラインの向こうに走り抜ければタッチダウン成功です。ゲームは、先に2回のタッチダウンを決めた側の勝利です。
 基本ゲームでは主要なルールはこれだけです。他にファンブルやタックルによる負傷のルールなどもありますが難しくはありません。普段ゲームをやらない人でも簡単にプレイすることができるでしょう。上級ルールでは、これに加えてパスを投げることができるようになります。けれども、追加になるルールはそれだけですので、戦術が広がってゲーム展開は変わりますが、難しくなるということはありません。

 この「バトルボール」ならではの特徴が出ているのは、ポジションごとの選手の個性の描き出し方です。このタイプのゲームで多いのは、移動力、タックル力などというパラメーターを数値設定する方式です。この数字の味付けでポジションごとの違いや、チームの違いを出すわけです。
 ところが、この「バトルボール」は能力が同じ2チームでの対戦だけに割り切ってしまっていて、ポジションごとの差だけを大胆なシステムで描いています。
 タックルのときに最強である「1」の目を出すと、相手の選手は重症となりそのゲームでは最早もどってこなくなります。
 ファンブルのルールも簡単で、解決のために振られたダイスの中に同じ目が二つ以上あると発生します。