ムーンショット
Moonshot / Galactic Attic


一言で言えば‥‥

マーキュリー、ジェミニ、そしてアポロ、人類は大きな一歩を月面に刻んだ
NASAの資料からデジタルマスタリングした貴重な画像に彩られた宇宙開発ゲーム


Project Mercury, Gemini, Apollo. Human being made a great footstep on the Moon.
Space-development game filled with great graphics degital-masterd from NASA's important photographs.

プレイ人数 1〜4人
プレイ時間 60〜90分
ルール難度 ファミリーゲーム+α
デザイナー Van Overbay
入手状況 published in 1997

人類が月に残した大きな一歩
ムーンショットの箱
1961年、4月12日。
ソヴィエトの宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンはヴォストーク1号に乗って初めて地球の外側から地球を眺める人物となり「地球は青かった」の名台詞を残しました。
冷戦最中のミサイル技術戦争の側面も持っていた当時の宇宙開発、アメリカのケネディ大統領は対抗して「人間を月に送り、無事に帰還させる」未曾有のプロジェクトを打ち出しました。参加企業2万社、参画人員40万人、総予算250億ドル、正に空前絶後のプロジェクトでした。

1969年7月20日。
アポロ11号のアームストロング船長は月面に記念すべき一歩を踏み記したのです。「一人の人間にとって小さな一歩だが、人類にとって大きな一歩だ」の名台詞も記憶に残るものでした。

あれから32年が過ぎました。当時の熱気からすれば、今ごろはもう月面に定住基地ができていて、次の火星にも有人飛行の手が届いているかとさえ思えたのですが、事実はそれほどには進みませんでした。今もなお宇宙は未開拓のフロンティアとして我々の前に横たわっています。

ギャラクティック・アティック社から発売された「MOON SHOT」は、アメリカの3つの宇宙開発プログラム、マーキュリー計画、ジェミニ計画、そしてアポロ計画をカバーしたファミリーゲームです。このゲームの最大の売りは、NASAの強力を得て3つの計画の素晴らしい画像をふんだんに使っていることです。画像はすべてデジタルリマスターされていて、当時、実際にTVや紙面で見たものより素晴らしくさえあります。そして、それぞれの計画のカードには、実際の史実のエピソードが詳細に記述されています。どちらかと言えば、ゲームというよりも教材と言って良いような念入りな作りとなっています。

ムーンショットの難点
ムーンショットのプレイ
わたし自身はアポロ11号の月着陸は、子供心に深く焼き付いています。けれども、マーキュリー計画やジェミニ計画も含めたアメリカの宇宙開発の全容となると、このゲームで改めて時系列順に勉強しなおさせてもらいました。

改めて、月に人間を送り込むために、どれほどの手順で個々の段階が実証されていったのかに圧倒される思いでした。

そういった意味で教材としては非常に示唆に富んでいると思うのですが、残念ながらゲーム的にはキレが足りません。

エネルギーカードを毎ターンアンタップして、これをタップしながらアクションを行うところはどことなくマジック風だったりして、デザイン陣が最近のゲームを勉強して取り込んでいるところが感じられます。けれども、基本的にはカードの組み合わせを集めて、スゴロクのように進んでいく構造なのです。

宇宙開発の持つ浪漫の側面や、繊細なマネージメントの側面が、もっとゲームシステムにも出ていれば素晴らしかっただろうに‥と思います。

関連ゲーム / 類似ゲーム


関連ゲームとしては、タスクフォースゲームズの「リフトオフ」と、マーカムデザインの「レース・フォー・スペース」が挙げられます。