BQSF_GAME

レムリカ 三部作
レムリカ銃士隊/レムリカモンスター/アームズコレクション


一言で言えば‥‥

個々に独立したカードゲームでありながら同時にシステムコンポのRPG

モンスターメーカーシリーズより少し大人びた翔企画JASカード

こんなゲーマーにお薦めしたい

カードゲームとRPGを連結した着想の面白さを評価できる人なら是非とも一見を

JAS規格カードゲームコレクターは見逃せないでしょう



レムリカ銃士隊

プレイ人数 3人
プレイ時間 30分−60分
ルール難度 シンプルなカードゲーム
デザイナー 近藤 功司,冒険企画局
入手状況 絶版ながらまだ入手できるかも

レムリカ銃士隊

翔企画のいわゆるレムリカシリーズは,それぞれが独立したカードゲームです。と同時に,レムリカというRPGのシステムコンポになっています。同社のモンスターメーカーシリーズより雰囲気的には少し大人びていました。

「レムリカ銃士隊」はその第1作で,カードゲームとしては銃士たちの日常を描いた作品になっています。レムリカの銃士たちは,勇敢で正義感の強いもので腕が立てば老若男女,人間デミフーマンを問わずなることができるようです。銃士カードには,様々なパラメータが設定されていて,この内の上の4つをカードゲームで使用します。
銃士たちの日常は,様々な任務に追われているようです。

実際のプレイは,こうした銃士のカードを引いて隊を編成し,任務カードを引いたらメンバーの誰かを任務に挑戦させます。任務には勝利得点と成功率,その任務で必要とされるパラメータ(修整値として使われます)が記載されています。難易度も成功率も様々で,その内の二つを紹介しました。どちらも難易度が高く,成功率が低いものです。それにしても,内乱の鎮圧より,不払い商人から税金を取りたてる方が難しいというのはシビアです。

解決にはダイスではなく,これまたカードを用います。いちばん右がそれです。カードゲームではいちばん上の成功率を用います。任務にパラメータ修整を加えた成功率以下のカードを引けば任務成功となります。このシステムは,そのままRPGで使われるものです。

実際のプレイでは,こうして任務を達成していくのですが,失敗すると銃士は失われてしまうため,結構,人員はいつもタイトです。これ以外にほかの隊から「友情」による引き抜きがかかったり,隊内で決闘で人員が減ったりもします。このためポイント的には,なかなかビッグポイントが得られないのですが,任務には4色あって,これを揃えるとボーナスで一気にブレークするようになっています。ここらへんのバランスはカードゲームとしてまずまずで,累計が100点になるまでプレイするのですが,4〜6ディールくらいと適当なところで決着がつきます。

肩の凝らないビアプレッツェルゲームとして,良くできています。

レムリカモンスター

プレイ人数 2人
プレイ時間 30分−60分
ルール難度 シンプルなカードゲーム
デザイナー 毛島 船,冒険企画局
入手状況 絶版ながらまだ入手できるかも

レムリカモンスター

レムリカモンスターは「月影の島」という副題がついていて,モンスター召還能力を持った仲の悪い二人の城主が,ついに全面衝突したという設定になっています。

プレイヤーは,互いに自分の手元からモンスターを裏向きに出していき,同じタテ列に配置すると前に置いた分のモンスターが押し出されて前進していくというシステムになっています。そして,両軍のカードがぶつかると表に開けて戦闘を解決します。相手陣営の奥側が相手の居城で,そこまで進んで勝利すると勝ちです。

様々なモンスターが描かれたカードは,さながら怪獣図鑑のようでワクワクさせられます。モンスターは,青/黄/赤の三色に分類されていて三つ巴の関係になっています。このほかに緑というトラップとして機能する特殊モンスターがいます。レムリカ世界の主役である銃士隊も登場し,これは相性に関係なくすべてのモンスターに対して優位を持ちます。

さらに呪文が存在していて,呪文を使うためには手札の中の呪文を使えるモンスター(右上のカラーコードの下に呪文マークがあります)とともに呪文カードを出すことで唱えます。呪文は極めて強力なもので,特にオールデスは場札のすべてを除去する効果を持ちます。魔法の力は,敵味方を区別しないので,使い方に注意が要ります。

実際にプレイすると,最大の問題は,展開が単調になりやすいことのようです。特殊な効果がなければ,両軍とも自分の攻勢タテ列を互いに押して行き,スピード勝負となってしまいます。そういう意味では,特殊効果を増やしたり,システムの作戦選択肢を増やしたりして,もっといろいろなことが起こるようにしてくれれば,ずっと良くなったのではないかという気がします。

ちなみに,デザイナー,イラストレーターとも第1作の「レムリカ銃士隊」とは異なります。

アームズコレクション

プレイ人数 2−4人
プレイ時間 30分−60分
ルール難度 シンプルなカードゲーム
デザイナー かつら つかさ,冒険企画局
入手状況 絶版ながらまだ入手できるかも

レムリカ アームズコレクションアームズコレクションのカードゲーム部分は,「フェアリーフレンズ」という副題となっていて,武器や防具に宿らせる妖精を集めるゲームになっています。

「カードゲーム部分」という言い方をしましたが,このゲームのボックスには100枚のカードが入っていますが,「フェアリーフレンズ」では半分だけ使用します。ゲームでは妖精カードを集め,紋章カードをモンスターに見立てて妨害カードとして使用します。

残念ながらカードゲームとしての「フェアリーフレンズ」は,あまり評価できません。ルールの記述が練れておらず,折角の100枚のカードを半分しか使っておらず,紋章をモンスターに見立てるのに少々無理が感じられます。実際にプレイしたときに,ゲームのタイプとして第1作の「レムリカ銃士隊」と似ているのもマイナスな気がします。

過去の2作品でRPGのコンポとして提供したタイプのカードを重複利用できないという制約の中で,かなり苦心の作なのでしょう。ですから,強くは責められませんが,「独立したカードゲームであり,かつRPGのシステムコンポである」というコンセプトの前半分を達成し切れていない恨みはあるでしょう。


レムリカ RPG

プレイ人数 3−5人
プレイ時間 2時間−4時間
ルール難度 カードギミックのRPG
デザイナー 冒険企画局ほか
入手状況 絶版ながら,デッドストック,オークションなど,まだ入手手段ありそう

レムリカRPG

レムリカシリーズの各ゲームパックには,1冊ずつRPGルールの冊子が入っています。1作目には,RPGに関するごく簡単な説明,レムリカRPGのシステムの説明,銃士の生活,そして練習用のシナリオ「レーナの父の消えた森」が含まれています。

2作目はクリーチャーリストがメインで,一緒にシナリオ「ジム少年の剣」が所載されています。最後の3作目は,ウェポンマニュアルになっていて,2本のシナリオ「寒すぎた季節」と「伝説の聖なる楯」が収録されています。

実際にプレイしていないのでなんとも言えませんが,RPGの初心者向けのシンプルでプレイアブルなものを志向しており,ゲームマスターの負担もあまり重くならないようにしてあるように感じました。カードゲームとの連結ということで,積極的にカードを使っており,上手く機能するようなら入門用RPGとして良いかも知れません。

ゲームの体裁上,資料などの規模が限定されてしまっているのは止むを得ません。後は,カードをベースにゲームマスターとプレイヤーのイマジネーションの見せ所でしょう。

関連ゲーム

わたしはRPGについては知見が広くないのですが,カードを積極的に使用したRPGという点ではWEG/新紀元社の
「TORG」が印象に残っています。

翔企画のJAS企画カードゲームのシリーズとしては,
「モンスターメーカーシリーズ」が圧倒的に有名でしょう。

トップへのボタン
BQSF_GAME