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ダイノハント
DINO HUNT / Steve Jackson Games

一言で言えば‥‥

タイムマシンで過去に遡って恐竜を生け捕りに!

価値の高い恐竜を狙え,他のハンターに出し抜かれるな!

こんなゲーマーにお薦めしたい

恐竜が大好きな貴方に

簡単なルールで誰でも一緒に遊べるゲームとして,恐竜にアレルギーでないファミリーに

プレイ人数 4人
プレイ時間 1〜2時間
ルール難度 ファミリーゲーム
デザイナー スティーブ ジャクソン
入手状況 店頭で見かけなくなってきた

恐竜をハントしに行こう!
ダイノハントのボックス
恐竜は,実在した巨大な怪(?)生物として,いつの時代も魅惑的な存在です。周期的に映画のモチーフとして取り上げられ,そのたびに恐竜ブームが巻き起こります。

映画ジュラシックパークと,その続編ロストワールド,同時期に登場した他のいくつかの恐竜の登場する映画は,しばらくぶりの恐竜ブームを巻き起こしました。

特に,近年になって得られた考古学的なと,最新の特殊撮影技術が組み合わせられ,まさに人間が手を触れることのできそうな,あるいは逆にとって食われてしまいそうな迫真の姿が再現されました。

このダイノハントは,そうした恐竜フリークのためのトレーディングカードゲームです。タイムマシンで恐竜が生息していた時代へと遡り,そこで様々な恐竜を捕獲して帰ってくるのです。

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ダイノハントのシステム
ダイノハントの恐竜
ダイノハントは,ごくシンプルなカードゲームです。
基本的には,時代別に配置されている恐竜を追い求めて,めぼしい恐竜のいる時代へとタイムマシンを進め,そこで恐竜カードにしたがって狩りを解決するだけです。

恐竜は眩暈がするほどの種類が用意されていて,ボックスセットに入っているのはその内の半分以下というところでしょうか。このゲームはトレーディングカードゲームにもなっていて,それ以外の恐竜のカードはブースターパックと言われる追加セットを購入することで,ランダムに集めていくことになります。

恐竜は貴重なものほど価値が高くなっています。特に大型の肉食恐竜は数も少なく狩るのが大変で貴重です。

左はそうした恐竜の数例です。プテラノドンはもっとも有名な恐竜の一つではないかと思われますが,それだけに価値があまり高くありません。右下の黄色い数字3が得点になります。

その次のレキソビサウルスはステゴサウルスの仲間です。ステゴサウルスの一族は見栄えがして子供に人気があるためか,はたまた重量があってタイムマシンで輸送するのにコストが掛かるからなのか,かなり得点があり6点です。

いちばん下は,肉食恐竜の中でも最大であるギガントサウルスです。有名なティラノサウルスレックスよりも少し大きいほぼ完全な一体ものの化石が発掘されてこの名称が付けられたそうです。形態的には,ティラノサウルスよりも,むしろそれより小型のアロサウルスをそのまま大きくしたような姿をしているそうです。‥‥と言ったようなインフォメーションはカードの反対側に書かれています。

カードの表側の右側のインストラクションは,この恐竜を狩ろうとしたときにプレイヤーがダイスを振って結果を判定するための判定表になっています。必ずしも狩りにくさは得点と比例していないので,ゲームを勝ちに行くのならどの恐竜を狙うか決める前に良く読んだ方がよいでしょう。

もっとも絵柄を見て「この恐竜を狙うぜ!」と決めて,いざ狩りに入ってみてからアッと驚くというのも,またオツなものです。大勢でワイワイ楽しむのなら,そちらの方が良いかも。
ダイノハントのスペシャルカード
ダイノハントでは,恐竜カードのほかにスペシャルカードを使用します。これらはプレイヤーに手番ごとに1枚ずつ与えられます。

内容は様々ですが,自分の狩りを有利にするものと,他のプレイヤーに不利なイベントを発生させるものに分けられます。このカードの応酬によって,うまくやり過ぎているライヴァルの足を引っ張ったり,自分の狩りを立て直したりすることができ,ゲームは接戦へと縺れ込んでいきます。

右上のカードは,頼もしい狩りの仲間である「3S」こと,シュアーショットサムです。彼がいると狩りの判定のダイスが有利に修整され,失敗のリスクを減らすことができます。

その下のカードは,小惑星衝突による恐竜の絶滅というランダムイベントです。これによって他のプレイヤーが獲物を狙ってタイムマシンを着けた時代の恐竜を場から取り除くことで妨害ができます。

このほかにも様々なスペシャルカードがありますが,それぞれに恐竜狩りの雰囲気や,恐竜をめぐる知見とマッチングした内容になっています。


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ダイノハントの難点

ダイノハントは,シンプルなファミリータイプのカードゲームです。その中に恐竜フリークが泣いて喜びそうな恐竜のガジェットをみっしりと詰めこんであります。そういった意味では,とても狙いのはっきりしたゲームで,その狙いにあった出来映えになっていると思います。

ただ,ちょっとした誤算はあるように思います。たとえば,恐竜フリークが,恐竜を集めるためにということで買い集めるのを狙っているのだとすれば,あまりゲームにする必要はなかったような気がします。逆に恐竜を題材にしたファミリーゲームとしてとらえるなら,トレーディングカードにする必要はなかったような気がします。

恐竜フリークが単にカードを欲するのであれば,このボックスセットはスキップされ,アルバムに入ったコンプリートコレクションを買ってしまうのではないかという気がします。逆にゲームを遊ぶ分にはボックスセットだけで困らないような気がします。

実際,このゲームのカードのブースターパックがバラで市販されているのを,わたしは見たことがありません。その意味においては,トレカにするよりも,普通の拡張キットスタイルにした方が良かったのではないかと思います。

もう一つの難点は,カードの特殊効果などにまつわる表現が,あまりゲームルール的に明確でないということです。たとえば「水棲の恐竜」などという表現が出てくるのですが,具体的にそれがどこまで適用されるのかはわかりません。表側に表示してある恐竜カードの分類の一つとしてそういうのがあるのなら明確に適用範囲がわかるのですが,そうはなっていません。ですから,絵柄や裏面の恐竜データなどから判断するしかなさそうなのですが,これがクリアではないのです。

みなで楽しくプレイするタイプのゲームですから目くじらを立てるほどのことではないかも知れませんが,逆にそういうゲームだからこそ勝敗のかかった解釈論争など発生して気まずいプレイにならないようにちゃんとわかりやすく作って欲しかったという気もします。

関連ゲーム / 類似ゲーム

恐竜の登場するゲームとしては,MOSKITO SPIELE / AH の「ティラノEX」が挙げられます。ただし,このゲームはタイトルとは裏腹に恐竜だけのゲームではなく,恐竜を中心とした太古の進化ゲームとも言うべきものになっています。

そのほかではAHの
「ロストワールドのダイノサウルス」があります。これも恐竜を狩りに行くゲームで,非常に独特な工夫のある変わったゲームです。この他にはタイムトリップものであるSPIの「タイムトリッパー」で過去に遡ると,恐竜と遭遇してしまうことがあったのが印象深いです

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